カボッチャマンブログ

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「BLUE GIANT」2巻 マンガ感想

おはようございます。

 

ブルージャイアント2巻のあらすじと感想を書いていきます。

【あらすじ】

花火大会が行われている日も大はサックスの練習をしていました。花火を見に来た大の同級生で水泳部の三輪さんが登場します。三輪さんは友達と花火大会に来ていたのですが、先に帰ると言って河原を歩き始めます。そこでサックスを吹いている大と会います。三輪さんは大を探していたようです。大は三輪さんに音楽プレーヤーで自分が好きなジャズを聞かせます。三輪さんはジャズの良さを少しわかったようです。遅い時間だからと大が三輪さんを家まで送ります。

ここで高校2年生のときの修学旅行の場面に替わります。大は移動中の新幹線の中で三輪さんを海に誘います。三輪さんには断られてしまいますが、大は清々しい顔をして立ち去ります。

現在に戻り、路上ライブをしている若者たちを見つけ、しばらく聞いているとその若者たちに「ヘタクソ」と文句を言う酔っ払いのオジサンが現れます。大はそのオジサンをとめます。そのとき、修学旅行の時と同じ清々しい顔をします。

いつものように大が河川敷でサックスを吹いていると、初ライブをやったジャズバーBirdの店長川西さんが来ます。川西さんは大に、これから店に来てほしいと言います。店に行くと、先日若者に文句を言っていた酔っ払いのオジサンがいました。川西さんは大に、そのオジサンと一緒にサックスを吹いてほしいと言います。大は一度断りますが、結局吹くことになります。オジサンはピアノを弾き、大はサックスを吹きます。大は今までにない吹きやすさを感じ、全力で吹きます。オジサンからはヘタだと言われますが、川西さんは店の奥まったところで感動して泣いています。オジサンも大の音に面白さを感じます。そして、そのオジサンが大の先生になることが決まります。

大が初めてのサックスレッスンを受けます。酔っ払いのオジサンの名前は由井さん。G(ピアノのファ、サックスのソ)を教わります。Gという座標があるから、左右、前後に動くことができて、他のプレーヤーに合わせることも離れることもできる、サックスという道具を使って音を操縦する「技」をつかんでいく、ことを教わります。

場面が変わって、大のアルバイト先(ガソリンスタンド)の店長から釣りに誘われ、同行した際に、店長からガソリンスタンドが閉店することを知らされます。そして、本当にスタンドが閉店します。大は、店長がこの先仕事をどうするのか心配します。それと同時に店長のタイヤ交換、オイル交換、傷直しなどの「技」がどこに行ってしまうのか疑問を抱きます。

由井さんのレッスンで楽譜の読み方を教わります。大はレッスン中に由井さんから、何かあったか聞かれます。アルバイト先のスタンドが閉店して、店長や社員さんたちがこの先仕事をどうするのかが心配であることを打ち明けます。由井さんは大の音がいつもと違うと思っており、その理由を聞いて、そういう感情が音に出るのかと気付きます。その日のレッスンでアンブシュア(マウスピースの正しいくわえ方)を教わります。

場面が変わって、大は由井さんと食事に行きます。そこで大は世界一のジャズプレーヤーになれるか由井さんに聞きます。由井さんは酒がかなり回っているのか、大にヘタクソと言います。そんなことを言われてもレッスンで習ったことを早く試したくなった大は、自転車を飛ばして海でサックスを吹きます。

大の同級生のヒトシ、輝、タイゾー、玉田は夏期講習が終わり、パーっと打ち上げをしようとします。そんな中、大はいつものように河川敷でサックスを吹いています。大のところに4人が来て、大の家にいくことになります。そこで全員が進路について話します。大は世界一のジャズプレーヤーになることを話します。

由井さんのレッスンで、大はサックスを由井さんに渡し、吹いてもらいます。そこで由井さんが超うまくてすごいサックスプレーヤーであることに気付きます。ただ、由井さんは、「上手いのはゴマんといんだわ。お前の方が上なんだよ。お前の音は人を圧倒できる。」と言います。

場面が変わって、大の同級生の三輪さんとのデート。ストリートジャズフェスティバルに一緒に来て、いろいろなバンドの音楽を聞きます。大は三輪さんに世界一のジャズプレーヤーを目指していることを話し、突然持ってきたサックスを吹き始めます。

大の演奏を聞いた、小さい女の子、高校生、レコード会社の人、バンドマン、みんなが大に注目します。フェスの関係者に周りに迷惑だからと止められてしまいますが、聞いていた人はみんなが大に拍手を送ります。三輪さんから「宮本大のサックスは本物なんだね。」と言われた後、いきなりサックスを吹いたことを怒られ、三輪さんは帰ってしまいます。

大は由井さんとのやりとりがあったため、今日は吹かないとダメだと思って吹いたのでした。

7年半前の大の母親の葬式の場面から始まります。当時大は10歳、大の兄の雅之は13歳でした。5年後、雅之は初任給で大と妹の彩花に夕飯をごちそうします。帰り道、大はサックスをやりたいことを雅之に伝えます。

現在に場面が変わり、レッスン中に由井さんからサックスのことを褒められます。そこで2年半前の回想シーンが入ります。雅之は大がサックスを吹きたいのを知って、楽器屋さんにサックスを買いに行きます。雅之は楽器が高いことを知りますが、「一番いいやつ。この店で一番いいやつをください。」と言って36回ローンを組んで買います。帰宅して大にサックスをプレゼントします。

現在に戻り、大は雅之にサックスを見せます。雅之は使いこまれたサックスを見て喜びます。

 

【感想】

自分がやろうとしたこと、正しいと思ったことを行動に移すところに心動かされました。好きな人を遊びに誘うとか、知らない人に声をかけて間違いを正すとか、想像すらできません。やったことで後悔することもあるかもしれないけど、行動に移したからこそ得られるものがあるのかなと思いました。

川西さんが本当に良い人。大の演奏で川西さんが涙するシーンは本当に感動します。わざわざ河川敷にまで大を探しに来て、先生を紹介してくれて、ここからいろいろなことが起こるのを想像させる一話です。

音を操縦する技術を学ぶという捉え方が印象的でした。どんな音を出すか、出せるか、楽譜通りに演奏できるかどうか、などを意識しがちですが、それは音に振り回されているのと同じで、自分が音を操縦するという感覚で演奏するのが大切なんだと思いました。

アルバイト先が閉店すると聞いて、店長や社員さんの生活を気にする大の優しさが表現されています。読んでいてなんだか切なくなりました。

アルバイト先の店長や社員さんを心配する気持ちが音に出る、そんなことあるのかなと思いましたが、きっとアーティストと呼ばれる人たちは少しの感情の変化がそのままパフォーマンスに影響するんだろうなと勉強になりました。

習ったことをすぐに試したい、そんな熱量をもっていることを少しうらやましく思いました。

周りの人がみんな大学進学を考えて勉強している中、自分は世界一のジャズプレーヤーになると宣言して練習に打ち込めるのは本当にすごいと思います。周りを気にして、やらないほうが良いかな、周りから変な目でみられないかな、とかどうしても気にしてしまいがちな私にとって、大は本当にまっすぐで魅力的なキャラクターです。

本当のトップは上手いだけじゃないというか、それとは違う何かを持っているということなのでしょうか。スポーツでいう上手いと強いは違うみたいな感覚でしょうか。

好きな人の前でいきなりサックスを吹くなんて、私には想像できません。しかも、世界一のジャズプレーヤーになると宣言した後で。

サックスの先生から、お前の方が上だ、なんて言われたら吹かないわけにはいきませんよね。この話で出てくる小さい女の子が本当に良いんです。セリフがひとつもないんですが、大の演奏に感動してずっと拍手する様子が感動的です。

雅之がサックスを買うシーンが抜群に良いです。店員さんから安いものから紹介され、高いと知った上で、一番高いものを買うなんて、本当にカッコイイです。しかもそれが高校を卒業してからの初任給で、ローンを組んでですからなおさらです。大も先生から褒められたときは相当うれしかったでしょうし、雅之も大がサックスを使い込んでくれて、買ったことに後悔は全くなかったと思います。36回ローンを組んでも良いものをプレゼントしようとするなんて、本当に良い兄貴だと思います。

 

以上で2巻のレビューを終わります。

3巻以降も随時やっていきますので、楽しみにしていてください。

 

それでは。