カボッチャマンブログ

映画、読書の感想、悩み事、楽しかったことなどいろいろ書きます。

「Winny」 映画感想

こんばんは。

 

今日、映画Winnyを見てきましたので、感想を書きます。

ネタバレがありますので、読みたくない人は映画を見てから読んでください。

 

この映画は、ファイル共有ソフトWinnyを作った、金子勇さんが著作権法違反幇助の容疑で逮捕され、一度有罪判決を受けるも、最高裁で無罪を勝ち取るまでの実話をもとにした作品です。

 

金子さんは、2002年にWinnyを作り、2004年に著作権法違反幇助の容疑で逮捕され、2006年に有罪判決を受けます。しかし、2009年に控訴審で逆転無罪となり、2011年に最高裁が検察の上告を棄却し、無罪が確定します。

ただ、残念なことに金子さんは無罪になってからすぐ心筋梗塞で他界してしまいます。

映画では、金子さんがWinnyを作ってから有罪判決を受けるまでが描かれています。その後の逆転無罪については、映画の最後に文字で書かれるだけでした。

逮捕されるとどうなるのか、裁判がどういう風に行われるのかを知ることができる、とても面白い作品だったと思います。弁護団がどうやって検察側の矛盾をついていくのかも見どころのひとつです。

ナイフで人を殺した時にナイフを作った人は逮捕されない。その理屈で言えば、Winnyを作った金子さんも逮捕されるはずはありませんが、当時は逮捕された上に第一審では有罪判決を言い渡されました。ファイル共有ソフトを作った人に罪はなく、それを使って、著作物である映像や音楽をアップロードした人に問題があるという結末になって良かったと思いますが、それにしても金子さんが受けたストレスは計り知れませんし、自由にプログラミングを行えていたらどうなっていたかという悔しさもあります。

映画の最後には、無罪が確定した後の金子さんのインタビュー映像が流れるのですが、それが本当に感動します。金子さんは警察や検察への文句を言っても仕方がないから前を向こうと言うのです。ソフトを作ること自体は悪いことじゃないから自信をもって作っていいとプログラマーに向けて言います。

あの映画の金子さんがどこまで本当の金子さんに近いのか分かりませんが、あれが本当の金子さんに近いというのであれば、金子さんは少し変わった人なのかなと思います。逮捕されたことによって、東京大学助手をやめることになったり、家族との連絡ができなくなったり、Winnyの欠陥を修正する方法がわかっているのにパソコンを使わせてもらえなかったり、嫌なことばかりなのに、前向きというか楽天的に物事をとらえているようでした。社会常識がないと自分で言っていましたが、だからこそ普通の人がもっていないような他の能力が爆発的に伸びたのでしょうか。

あの事件がなかったら、日本のITはもっと前に進んだのでしょうか。それは誰にもわからないことですが、もしかしたら、と考えたくなってしまいました。

 

人間は新しい良く分からないものが現れると、抑え込もうとする考えが強く働くような気がします。特に日本はその圧力が強くて、出る杭は打たれる感が強いように思います。誰もやっていないことを誰かがやらないと何も変わらない反面、社会から受け入れられない可能性と戦う不安もある、そんな状況でも新しいことにチャレンジしていける人材が真に必要なのかもしれません。

 

それでは。