カボッチャマンブログ

映画、読書の感想、悩み事、楽しかったことなどいろいろ書きます。

「TIME」映画感想

こんばんは。

 

映画「TIME」の感想を書きます。ネタバレがありますので、ご注意ください。

 

主人公は、スラム街で生活するウィルという男性です。この映画の世界では、人間は25歳から歳をとりませんが、代わりに25歳になると1年間の寿命が与えられ、左腕に残りの寿命がカウントダウンする形で現れ、それ以降は自分で寿命を延ばさなければ死んでしまうという設定になっています。また、物を買うのもサービスを受けるのも自分が持っている寿命と交換することになります。富裕層は寿命を多く持っていて、貧困層の人は寿命が1日が当たり前でその日の寿命を働いて稼ぐか、人から奪って生活しています。

 

ある日、ウィルが住むスラム街に富裕層の男性ハミルトンが現れ、バーで大盤振る舞いしていました。そこにギャングが来て、ハミルトンの寿命を奪い殺そうとします。その危機をウィルが助け、ハミルトンはお礼にウィルに自分の寿命を渡して自身は時間切れで死んでしまいます。

ちなみにウィルの母親は時間切れで自分の誕生日に死んでしまいます。しかもバスの料金が値上げされ、バスに乗れず、走って帰ってウィルにギリギリ出会えたところで。また、ウィルの父親は登場しませんが寿命をかけた戦いで死んでしまったようです。

話を戻しますが、ウィルはハミルトンからもらった時間を使って富裕層の住む地域に行って、カジノに行きます。ウィルは富裕層の人たちが、貧困層に住む人たちから寿命を搾取する構造をぶち壊そうとします。カジノで富豪のフィリップ・ワイスに会い、ポーカーでフィリップから寿命を奪います。フィリップは負けを取り返そうと、ウィルを自宅のパーティーに招待します。そこに時間を取り締まる監視局の人(作中では監視官と呼ばれています。)が来て、ウィルがハミルトンを殺したと疑い、騒ぎになります。ウィルはフィリップの娘シルビアを連れて逃げます。この時点では誘拐の体裁になっています。

この後、シルビアを取り戻したいフィリップと監視官からウィルが追われる展開になります。シルビアは、ウィルとしばらく一緒にいる間に、ウィルの富裕層が貧困層から搾取する構造を壊したいという考えに共感するようになり、ウィルとともに追手から逃げます。最終的にはフィリップから100万年という寿命を強奪し、スラム街の人に配ります。最後はウィルとシルビアが大きな銀行に強盗に入ろうとするところで終わります。

 

TIME IS MONEY と聞いたことがありますが、本当にいつかそんな時代がくるかもしれないと思いました。お金に意味がなくなって、自分の時間の価値をみんなが意識するようになる社会が来てもおかしくないなと思いました。というより、現時点でもお金持ちは良い医療を受けられますし、そもそも生活にゆとりがあって病気になりにくかったり、自分の時間を有意義に使えたりして、すでに差があるように感じます。

時間の大切さを意識して生きていかないと、と気付かされる映画でした。

 

ただ、疑問に思ったことがいくつかあって、

①左腕がない人、例えば事故で左腕を失った人はどうやって自分の寿命を把握するのか

②寿命のやりとりは体の一部が触れていればどこでも良いのか

③寿命のやりとりは双方の合意がなくても無理やりできるんのか

④25歳になるまで、どうやって物やサービスを買うのか

が作中では描かれていませんでした。特に②③は結構大切なことなのかなと思います。意識を失った人から寿命を奪うシーンがあったので、双方の合意は必要ないのだと思います。ただ、腕をつかんで寿命を奪い合うというバトルがあるのですが、そのときは自分の腕が相手の腕より上にあるときに寿命を奪えるという条件のようでしたので、思いの強さとかではないのかなとも思います。

終盤にウィルがシルビアに寿命を渡すシーンがあるのですが、そのときは二人が抱き合うだけで腕を重ねていなかったので、寿命の受け渡しはお互いの体の一部が振れていればよいということなのだと思いますが、それも一切の説明がありませんでした。

 

時間の大切さに気付かされる作品でした。また、今までで初めて、映画の設定に疑問を持ってみることができました。今までは映画の良いところばかりに気を取られていましたが、批判的に見ることができるようになってきたのかなと思います。

全体的には面白い作品で、時間も1時間50分くらいでちょうどよかったです。

 

今日はここまでにします。

 

それでは。