カボッチャマンブログ

映画、読書の感想、悩み事、楽しかったことなどいろいろ書きます。

読書感想「運動脳」第1章

運動脳

この本は、アンデシュ・ハンセンが書いた本で、世界中で売れています。私は、ただ、評判が良いから読んでみようという気持ちで読み始めました。

 

内容を紹介していきます。

 

■前書き

〇脳にとって最高のエクササイズとは何か

脳トレクロスワードパズル?・・・ではなく、運動である。

身体を動かすことによって気分が晴れやかになるだけでなく、注意力、創造性、知力まで向上する。

 

〇運動の精神状態に対する影響

運動は、不安障害やうつ病のリスクを減らすだけでなく、それらを治療する手段として抗うつ剤やセラピーに匹敵する効果がある。

 

〇著者の思い

多くの人に運動が脳の働きを高めるメカニズムや、なぜそうなるのかを知ってもらいたい。

身体を動かすことであれば、庭いじりでも散歩でも有効であり、何をするかはさほど問題ではない。

 

■第1章 現代人はほとんど原始人

〇運動で脳は物理的に変えられる

どんな種も進化には膨大な時間がかかり、ヒトも例外ではない。ヒトの脳は100年前も1万2千年前もさほど変わっていない。

ある研究で、ウォーキングを1年間続けると人の認知機能が向上することが明らかになった。筋力トレーニングをすると筋力がアップするように、脳も運動によってアップグレードできる。

 

〇100兆もの「脳内連携」をフル稼働させる

脳には役1000億個の細胞がある。そのそれぞれが、ほかの何万個もの細胞とつながっている。

頭の良し悪しは、脳細胞の数や細胞同士のつながりの数で決まるわけではない。

泳いだり、楽器を演奏したりしたときに同時に発火した神経細胞ニューロン)同士が結合することにより新たな回路が生まれる。

機能的に優れた脳とは、各領域(前頭葉頭頂葉など)がしっかりと連携している脳のこと。

ある研究で脳を検査した結果、プラスの特質(記憶力が優れている、集中力がある、教育水準が高い、飲酒や喫煙に対する自制心が強い)をもつ被験者は脳の各領域がしっかりと連携していた。一方で、マイナスの特質(かっとなりやすい、過剰な飲酒、アルコールや薬物の依存など)をもつ被験者は反対のパターンが見られた。

生活習慣によって、プラス、マイナスのどちらの軸に脳が属するかが決まる。プラスの特質としては身体のコンディションがある。

定期的に運動して身体が健康になることも軸のプラス側に属することにつながる。

 

〇大人の脳が持つ可塑性 柔軟で変化する

変化という脳の特性は脳科学的には神経可塑性という。子供の時だけでなく、大人になってからも80歳になってからでも脳は変化する。

アメリカのミシェル・マックは、生まれたときから左脳の90%以上がなかった。ミシェルは言葉の発達が遅く、3歳になっても歩くことができなかった。特に右腕と右足を動かすことが不自由だった。しかし、大人になってからは歩くことも。仕事をすることもできるようになった。記憶力が高く、年月日をいうと何曜日かをすぐに答えることができた。右脳が左脳の役割を担ったからだと考えられているが、その代わりに右脳が担う空間的な認知能力が低くなった。右脳が2倍働くというわけにはいかなかった。

キム・ピークは右脳と左脳の連結が不十分な状態で生まれた。4歳になっても歩くことができず、重度の発達障害と診断された。5歳になって文字が読めるようになると、本を読み始めたが、スピードがとても速かった。キムは右ページと左ページを同時に読むことができた。しかも内容を詳細に覚えていた。またミシェルと同様に年月日から曜日をスラスラと言えた。

脳の可塑性の研究で、運動よりも脳を変えられるものはないことがわかっている。GABAが脳の変化を抑えるために分泌されていて、脳の変化にブレーキをかけているが、運動するとそのブレーキが一時的に弱まる。