運動脳第6章 頭の中からアイデアを取り出す
〇アイデアの科学
アインシュタインは自転車をこいでいるとに相対性理論を発見した、ダーウィンの種の起源は散歩中にアイデアが思いついた、スティーブ・ジョブズは歩きながらの方がアイデアを出すのに効果的だと考え歩きながら会議をした。
創造性は発散的思考と収束的思考に分類される。
発散的思考
いわゆるブレインストーミング。与えられた言葉のもつ用途をどれだけ多く想起できるかが尺度になる。IQが高くても考えをうまく言葉にできない人もいるため、知能指数に関係なく、創造性を測定することができる。
収束的思考
与えられた情報の本質的な要素を見抜く能力がどれだけあるか、例えば与えられた3つの言葉の共通点は何かをどれだけ早くこたえられるか、で測定することができる。
〇アイデアが歩き出す
ブレインストーミングをするときは運動しながらの方がアイデアが出やすい。どこを歩くかの場所は関係ない。運動をしてから1時間程度は運動によって脳に血液が行きやすくなり、脳が活性化する。
30分以上ランニング程度の運動をすることが好ましい。激しい運動だと筋肉に血液が行ってしまい脳に血液が行きにくくなるため、逆効果になる場合もある。ランニングが難しければ、ウォーキングやスロージョギングから始めると良い。
ブレインストーミングをするときにたくさんのアイデアを出すことができる人と、いくつかの良さそうなアイデアを出して止まってしまう人がいる。アイデアをたくさん出せる人ほど、新しい発見や大きな成功につながることが多い。少ないアイデアが実を結ぶ事例は少ない。アイデアを出すにしても相当な時間がかかる。運動で身体的、精神的に自分を鍛えることによって、継続するための力を養うことができる。
〇「創造の発信源」を突き止め刺激する
脳の視床は情報のフィルターとして機能している。絶えず入ってくる目で見た情報や耳で聞いた情報を取捨選択している。
情報の取捨選択が正常に行われないと脳内が情報であふれ、統合失調症になる。しかし、それはマイナスばかりでなく、情報があふれているからこそ、思いつくアイデアもある。
視床が正常に機能するためには、ドーパミンの量が適正であることが必要になる。ドーパミンが多すぎたり少なすぎたりすると、視床が正常に機能せず、統合失調症になったり、反対に独創的なアイデアを出せたりする。
統合失調症になるのと、独創的なアイデアを出すのは、何が境になっているのか。確証はないが、脳のほかの部分が正常に機能している場合に、独創的なアイデアを出すことができるようだ。
脳のあらゆる部位にアプローチできる運動が効果的だ。