運動脳の要約をしていきます。
第4章 うつ・モチベーションの科学
〇意欲がわかないのはなぜ?
誰でもふさぎ込んでしまうことはある。ただ、それが何週間も続いたり、今まで楽しめていたものが楽しめなくなったりしたら、うつ病の可能性が高い。
今ではうつ病が薬で治るということを知らない人はいないが、運動の効果がどれくらいのものか、運動そのものが意欲を育てることを知る人はほとんどいない。運動は副作用が一切ない薬で、少し気持ちが滅入っている人でも、深い不安を抱えている人でも、大抵運動すれば気持ちは晴れやかになる。
運動は薬と同等の効果がある。もっとも効果があるのはランニングで、ウォーキングにはうつ病を防ぐ効果がある。
神経伝達物質のセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの不足がうつ病に大きくかかわっている。脳は複雑なネットワークなため、その3つだけが原因ではない。
薬や運動によって、その3つを増やすことができる。運動はノーリスクで。
〇最強の脳物質「BDNF」を分泌する
BDNF(脳由来神経栄養因子)は、新たに生まれた細胞を助け、初期段階にある細胞の生存や成長を促す役目も果たしている。また、脳の細胞間のつながりを強化し、学習や記憶の力を高めている。さらには、脳の可塑性を促して細胞の老化を遅らせる働きもしている。
今のところ、BDNFの生成を促すのに、運動ほど効果的なものはない。錠剤にして飲んでも胃酸で溶けてしまうし、血液に投与しても血液脳関門を通れない。筋力トレーニングよりも有酸素運動、特にインターバルトレーニングが効果的。
運動することによって、BDNFが分泌され、脳で新しい細胞が次々に作られる。それによって意欲の低下やうつを防ぐことができる。