おはようございます。
田内学先生の「きみのお金は誰のため」を読んだので、感想を書きます。
この本を読もうと思ったのは、私が欲しいものを買おうか買わないかを迷っているときに、ネットで自分が稼いだお金で欲しいものを買って何が悪い、というニュアンスの文章を見て、まあそういう考えもあるか、お金をためているだけじゃ人生幸せにはならないのかな、と思い、お金ってそもそも何かを知りたいと漠然とした疑問が浮かんだからです。
この本は、小説になっていて、とても読みやすかったです。登場人物も3人といっていいですし、長すぎず短すぎずで、ストーリーも感動するものでした。お金の勉強としてという以前に小説として面白いと思いました。
お金自体に価値はない
税金という仕組みがあるから、お金に価値を見出している
個人としては価値があるが、全体としては価値がない。仕事をして円を稼いで、円を使ってモノやサービスを買う。お金がグルグル回る(誰が持つかが変わる)が、総量は変わらない。
お金で解決できる問題はない
お金自体が問題を解決しているのではなく、お金を受け取る人が解決している。
お金は誰に問題を解決してもらうかを選ぶ力があるが、お金そのものに問題を解決する力はない。どれだけお金があっても、働いてくれる人がいなかったら、お金をどれだけもっていても意味がない。
みんなでお金をためても意味がない
お金は奪い合うことしかできないが、未来は共有することができる。
生産設備やインフラ、技術、制度は未来に向けて備えることができる。
少子高齢化に対応するためには、お金を貯めるのではなく、少子化対策を行ったり、生産効率を上げる必要がある。
お金そのものに価値があって、たくさんあった方が良い、そんな風に単純に思っていました。当然お金をたくさん持っている方が、選択肢が増えて、欲しいものが買えるのは間違いありません。この本を読んで、いくらお金をたくさん持っていても、モノを作ってくれる人がいなかったり、技術や資源がなければ何の意味もないことに気付きました。日々の暮らしの中で当たり前のようにお金を使っていますが、それは誰かに問題解決を依頼しているという別の視点で見れるようになった気がします。そう考えると、普通に生活を送れていること自体が幸せなことで、たくさんの人に感謝していこうと思うようになりました。また、自分も社会の一員として何か役に立てているのかなとも思いました。誰かの問題解決をして、その対価として給料をもらっている。仕事の本質は誰か困っている人の問題解決ということなのでしょうか。
色々と考えさせられる本でした。まだ読んだことがない人はぜひ読んでみてください。きっとお金に対する価値観が変わると思います。
それでは。